アクアリウム:白点病治療「赤唐辛子と治療薬」の違い

水槽をよ~~~~く観察すると。。

おや?
我が家のラミーノーズに白い点がついてないか??
さらによーーくみると、
あれれ??元からいたラミーノーズにも白い点が!!??
OH!Damn !!(クソ!呪われろ!!)
Fuck'in!!!(このケツ野郎!!)
Gofuck yourself!!!!(くたばりやがれ)
くたばれ!白点病!!


げふんげふんっ…取り乱しましたが、
とうとう白点病発症のようです。
白点病への知識・対処方法を掻き集めて書き連ねました。


白点病とは

白点病とは寄生虫が魚の体表に寄生し、魚の体液を吸いやがり、成長するにつれ0.5mm程度の白い点がつく様に見える病気です。
健康みなぎる魚にはなかなか感染しませんが、ちょっと調子を崩した場合や崩した魚から繁殖して蔓延した場合には水槽全域に広がり、治療が遅れるにつれ致死率があがる病気です。
それでいて、魚を飼う人が誰しもが経験するであろうやっかいな病気です。

白点病の感染経路

白点病のもとは殆どの場合、新しく水草や魚を仕入れてきたときに持ち込まれます。
魚の場合なら、輸送や飼育環境の変化で調子を崩したところに寄生虫が寄生してそこから新しい水槽に広がります。
水草の場合も、水草にこっそりバリアを張った(被嚢:ひのう)状態でくっついてくる
場合の二種類が考えられます。
このバリアを張った状態というのが厄介で、薬も効かない、温度変化にも強いと強靭な状態になります。
この状態で外から持ち込み、調子が悪い魚がいれば取り付き、栄養をたっぷり吸ったら繁殖を繰り返して蔓延します。
つまり、初期症状で発見し薬で治療するのが一番効果的であり死魚を出さない秘訣です。

白点病の症状

寄生虫が魚の体表に寄生するともぞもぞと動き、体液を吸い始めます。
これが魚にとってカユカユの状態となります。そうするといてもたってもいられず流木や水草に体をこすりつけはじめます。
この動作をしたら白点病初期~中期の可能性があります。
こうなると体はボロボロになり弱り始め、この白い点が剥がれます。
剥がれた白い点は寄生虫の巣窟となった袋であり、この袋から多数の寄生虫が飛び出し加速度的に繁殖、そしてまた魚の体表、はたまたエラにまで取り憑いて呼吸困難を起こし死亡に至ります。

白点病のもととなる寄生虫はどんな水槽にも存在し、弱った個体にとりついて成長するそうです。
なので、放っておいて治ることを期待する病気ではありません。

白点病進行度

Lv1.弱った個体のみ1~2個程度の白点を発見

早期に発見した状態ならば民間療法でも何とかなる可能性があります。
でも必ず効くという保証もないし、そもそも市販の治療薬は効果がある上に規定量をちゃんと守れば安全です。
どうしても薬を使うのが嫌ならばイチかバチかで民間療法の赤唐辛子を試してみてください。

Lv.2.健康な個体にも1~2個程度の白点を発見

病気が進行し水槽内に寄生虫が繁殖を始めています。
民間療法では寄生虫の繁殖や魚の病気の悪化を食い止められるとは考えないほうがよいです。
素直に治療薬を買ってきましょう。

Lv.3.弱った個体にはびっしりの白点(10以上)、健康個体にも5個以上の白点

どの魚を見てもがっつり白点だらけとなったら、目に見えない寄生虫の幼虫が水槽内に蔓延しています。
こうなったら最後、放っておけば放っておくほど白点が増え魚の死亡率が上がっていくばかり。
民間療法では死魚を増やすばかりです。

この中から症状の比較的軽い魚を1匹でも生存させるため、効果の高い治療薬(マラカイトグリーン系)を一刻も早く、そしてペットショップが閉まる前に買いに行き、即水槽に投薬してください。

白点病治療法

治療法はいくつかあることがわかりましたが、結局は早期発見と適切な治療しかないです

民間療法

塩浴

塩を数%入れて塩の殺菌効果に期待する治療法です。
わりとポピュラーな方法ではありますが、塩の効果というよりは体の浸透圧を調整して治癒能力向上を期待したり、粘膜保護効果を期待するもので直接寄生虫に作用するものではないと考えるべきです。
つまり、治癒力がある健康なうちしか効かない方法であると考えて、進行してからではもう遅いと思います。
もちろん塩の濃度によっては水草も枯れます

高温治療

水温を30℃以上まで上げると寄生虫の活動が停止するため有効と言われています。
しかし、これも白点が蔓延する前の初期段階であれば治療効果を望めるでしょうが、蔓延した後では望み薄です。
あまつさえ、水草や生体も30℃まで上げるとダメージを負う場合もあります。
ミクロソリウムみたいな水草は高温に弱いためこの方法を使うと枯れてしまいます。

赤トウガラシ

効果があるといわれている民間療法が赤唐辛子だそうです。

お漬物用にうっているような赤唐辛子、いわゆる「鷹の爪」として売られているものです。
これを2〜4本ほど割って、お茶パックの中に入れて水中に入れる。
そうすると、白点病に効果があるようです。

適量は10Lに対して1本ぐらいがいいとか。
他にも60cm水槽に鷹の爪まるごとを切って、種を取り除いたものを1~2本とか諸説あるので適正量に関しては決まりはないみたいですね。
もし、魚用にだけ買うのであればこんな小さなサイズのを買ってください。


赤唐辛子の効能

唐辛子の辛味成分であるカプサイシンに抗菌効果や制菌効果があるとのことですが、wikipediaでカプサイシン唐辛子については菌に対する効果を謳っている記事はありません。
一応白点病に関して効果がありそうだが予防程度であろうとの記事はありますが。

加えて、辛味成分のカプサイシンは油やアルコールには溶けやすいが水には溶けにくいようです。
カプサイシン95%試薬のSDSを見たら水溶解度は不溶ってかいてありますので、これは水には本当に溶けないか、溶けても極々わずかということになります(0.01%未満の溶解率)。

仮に水槽内にもカプサイシンが溶け込んだとしても、効果が出ている説はカプサイシンが生体内に取り込まれ、アドレナリン分泌を促すことから免疫活性が上がっために効果が出るのではないかと言われています。

なお、このカプサイシンは種にたくさん含まれるという話がありますが、本来は胎座と呼ばれる種とガワを繋ぐ部分に多く含まれます。

投薬治療

白点病治療は歴史が深いので、効果のある薬がペットショップで簡単に手に入ります。
有効成分は2種類に大別できるので、それぞれ解説していきます。

メチレンブルー系治療薬

メチレンブルーとは染色液のひとつで、ブルーと名前がつくとおり薬は青い色をしています。
酸化還元反応により殺菌効果が期待できます。

ただし、日光により容易に分解してしまうため光への安定性は低いですが魚に対して毒性が極めて低いため薬浴が原因で魚が死ぬようなことは極稀です。

別の使い道として、魚の卵をメチレンブルー水溶液に浸しておくと、カビがはえるのを防ぎ孵化率を上げるといった手法もあるようです。

ただし、水草水槽には向きません
メチレンブルーの粒子が大きいため、水草の呼吸孔が詰まって枯れてしまうそうです。
 

マラカイトグリーン系治療薬

有効成分であるシュウ酸塩が青緑色の孔雀石に似た色であることから、マラカイトグリーンと呼ばれるようになっています。

白点病の原因となるウオノカイセンチュウ駆除に効果的な治療薬ですが、魚への毒性がかなり高いです。(だから効くとも考えられますが)
規定量を守らず何十倍も一気に加えると、魚が死亡してしまう可能性があります。

また、マラカイトグリーン軽治療薬さえ効かないという話もありますが、それは治療開始が遅く症状が重症化している場合です。

健康なうちなら効果が高いマラカイトグリーン系治療薬をおすすめします。
なんせ、投薬後3日間で白点が減っていくことを目の当たりにしましたので。

 

奮闘記

我が家の水槽では二度発生し、一度は唐辛子療法、二度目は治療薬を使いました。
それぞれ奮闘記を投稿してありますので、詳細を知りたい方はこちらからどうぞ。

マラカイトグリーンが死んだ原因じゃないの?

死亡個体がマラカイトグリーン投薬後に頻出したことからマラカイトグリーン自体に魚への悪影響があるんじゃないか!?と思っちゃうぐらいです。
ちなみに魚類(ブルーギル)での半数致死濃度は0.0305mg/Lということで、GHS区分は1。
なになに?魚に甚大な影響を及ぼす薬品なんだな…
えっ!?!?と目を疑いました。
やっぱりマラカイトグリーンを入れたから死んだんじゃないのか?!と思ったので濃度がどうなっているか確認しました。

マラカイトグリーンの濃度をきちんと確認する

私の水槽は45cm水槽、水量は35Lがマックスです。
水満タンに水を張るということはないでしょうし、底床もたっぷり入れているからその分マイナス5Lだと考えると水量は30L。
アグテン投薬量の目安に45cm水槽の場合30Lとあるので、投薬量としてはほぼ目安と同じぐらいと考えます。

さて、実際に水槽中のマラカイトグリーン濃度を計算すると
  1. アグテン:100mL中50mg有効成分であるマラカイトグリーン(シュウ酸塩)が含まれる。
  2. 3mLの投薬量には約1.5mgの有効成分を含む
  3. 30Lの水槽に3mL規定量を投薬すると、1.5mgのマラカイトグリーンが10000倍に薄まる
  4. 30L水量中の濃度は0.00015mg/mL
LC50の濃度と比べると200倍近い差がありますので、マラカイトグリーンが死亡に直結したわけではなさそう。

仮に水量を少なく見積もって25Lしかなかったとしても、マラカイトグリーン濃度は0.00018mg/mL。
LC50と比較しても170倍程度違う。とてもとても高濃度とはいえない…
マラカイトグリーンで死んでるわけじゃ決してないです。

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