アクアリウム:マツモが育たない原因と解決策

今回はマツモの成長の話をします。
マツモと言えば水草の中ではトップクラスの成長率を誇る水草ですが、我が家の水槽では全く成長せず黒ヒゲコケに覆われるばかりでした。

しかし、ごく僅かに生き残ったマツモからまさかの水槽全域まで覆い尽くすようになった経緯を記します。

マツモ - アクアヴェイパー

マツモの導入

こいつらはとにかくバンバン伸びてバンバン増える。
脇目も振らずに脇芽を出していくわけですけれども。
そして、コケの要因になる「リン酸」を吸収して増殖するとのことで、我が家の水槽にも招待しました

しかし、我が水槽では次の悲劇に見舞われます。
枯れる!!黒髭に被われる!!!成長ストップ!!!!
と、散々たる結果でした。
本来ならば容易に育つはずのマツモに辛酸を舐めることになりました。

しばらく経過を見ても全く成長の兆しが見えず、段々と葉が枯れ落ち、ひとつかみ程の量がひとつまみ程度に減少していきます。

辛うじて残った部分も葉が矮小化し、最終的には2~3cm程度の切れっ端しか残りませんでした。

どうしてこんなにマツモが育たないのか?
先ずマツモの正体を見極めるところからはじめました。

マツモの特徴を調べる

マツモの要求する肥料は主に窒素リン酸で、カリウムの要求量が少ないことが特徴です。
つまり藻類、コケと同じ条件で育つことから初心者向けの水草と呼ばれています。

その魚の餌にはリン酸が含まれており、餌の残りや糞から水槽内に供給されます。
そして、鉄分と結びついて水底に蓄積する性質があり水換えだけではなかなか外に追いやることは出来ません。

そうなると水槽に蓄積する一方になります。

マツモも成長するのならばリン酸を消費してくれますが、成長せずに苔に覆われるということはリン酸を全く消費していないということになります。

そもそも植物育成の基本として、リービッヒの最小律と呼ばれる理論があります。
この理論は植物だけでなく動物にも言えるのですが、簡潔に言うと「栄養素がまんべんなくそろって初めて栄養素を吸収できる」ということだそうです。

リン酸以外の肥料バランスをとる

ならば、マツモが成長できないのはリン酸以外が不足しているからだろうと勘違い仮定し、本来それほど必要とされないカリウムを添加したら成長するのではないかと考えて実行してみました

カリウム系肥料の購入

カリウム含有量が多く水耕栽培用として有名な微粉ハイポネックスを購入しました。
水槽に流用する記事も多く見かけたのでチョイスしましたが売っているのが500gというビッグボリュームのみ!
水槽に添加するにはとても使い切れない量なので、もし店頭で見つからないのならAmazonで少量サイズの購入をおすすめします。

微粉ハイポネックスの添加方法

微粉ハイポネックスは白い粉末状の肥料です。
間違ってもこの粉末を直接水槽に入れてはいけません!

というのも粉末では高濃度すぎるためコケの誘発もしくは生体への悪影響が懸念されます。

そこで水に溶かした溶液を毎日少しずつ添加して様子を見るのが最適な方法と言われています。

微粉ハイポネックス溶液作成と水槽への注入

微粉ハイポネックスを水(水道水で十分です)に溶かして、希釈率100倍の水溶液を作製し水槽に添加する方法が一般的だそうです。
100均で買ってきたボトルに1gの粉末と100ccのお水を入れてシェイクして作ります。

作った溶液の添加方法は、水槽に流し込むのではなくシリンジを使って底床に打ち込み水中への放出防止を図るのが良いと言われています。


しかし、底面濾過を採用した水槽では低床に打ち込んでも水中放出は確実です。
それでも養分の一部は低床にとどまり、ロゼットタイプの水草の根から養分が吸われ、放出された分をマツモが吸収してくれれば良いと考えハイポネックス溶液を底砂に注入してみました。

注入から3日後

注入から3日ほど経過したら、マツモから脇芽がでてきました。
この調子で育て!!マツモ!!

更に経過を見る

マツモの成長以上に黒ヒゲゴケも成長、蔓延してしまいました。

原因

肥料バランスが悪いというよりも、水質が水草・マツモに合わないため、肥料分を吸収できずに成長停止と考えました。

Tetra Test 6 in 1で水質を測定するとGHが10以上あることがわかり、あまりに高すぎる硬度環境ではマツモが育たないということがわかってきました。
関連記事:アクアリウム:Tetra Test 6 in 1の精度と低コスト使用方法

GH低下作戦

水槽内のGHを下げるには硬度物質を吸着させるのが手っ取り早いです。
吸着方法は園芸用のゼオライト(沸石ともいいます)を水が循環する場所に仕込むことで、硬度物質のマグネシウム・カルシウムイオンを吸着して硬度を下げてくれます。(ただし、カリウムなんかも吸着してしまいます)

ゼオライトを底面ろ過水槽に仕込む

下準備としてゼオライトをキッチン排水口ネットに入れて水道水でよーく洗います。
水で洗い流しておかないと細かく砕けたゼオライトの破片・粉末が水槽内に舞ってしまいます。

そして、底面ろ過フィルターの吐出口前にゼオライトをぶら下げます。
どういうことになるかというと、こういうことになります。
ゼオライトを底面ろ過水槽に仕込んだ状態

外部フィルターが上部フィルターがあるのならそこに仕込むのがベストですが、底面ろ過フィルターで仕込むにはこの方法しかなかったのです。
この状態で3日経過したあと水質を測定したら、10以上あったGHが、5~6ぐらいまで下がりました。
ゼオライト効果、恐るべし…


GH低下後のマツモ成長

硬度が下がってから間もなく2~3cmの切れっ端マツモがぐんぐん成長をし始めました!
1週間で10cmぐらいまで成長しました。
これでマツモが育たない原因は「高すぎた硬度」であるということが判明しました。

その後のマツモ大繁殖

最終的に水槽を覆い尽くしたマツモの姿です。
1本が枝分かれしているため、ひっぱると全部釣れます(笑)
マツモ大繁殖 - アクアヴェイパー

マツモ成長率

一度水質に適合したマツモはとどまることを知らないモンスターとなります。
1~2ヶ月で水槽内にはびこってしまうため、切っては捨てて切っては捨ててを繰り返し、マツモが成長せず悩んでいた頃が懐かしくさえ思います。

2015年1月4日撮影の水槽

マツモをバッサリ処分し、右側に漂わせています。
ビフォアーマツモ - アクアヴェイパー

2015年1月14日撮影の水槽

右側から左側に移動していますが、10日で倍ほどに成長しています。
アフターマツモ - アクアヴェイパー

マツモと水草の共存

マツモが隆盛すると他の水草は成長が悪くなります。
逆に他の水草が生い茂るとマツモの成長はほぼ停止してしまいます。

これは水草のアレロパシー効果が効いているという話もあり、水草が成長しているときにはコケが生えない(生えにくい)のと同じで、どちらもぐんぐん成長する環境というのは難しいかもしれません。

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